新年おめでとうございます
池部淳子
新しい年を迎えると、未来が改めて開けるような新鮮な気持ちになって、新たな希望がもてるのはありがたいことです。
過ぎた一年の経験を振り返り、時の速さ在実感して、今年の一年を大切に生きようと思うのは幾歳になっても変わらない感慨です。いや、歳を加えるに従い、一年の貴重さが深まってゆくといえます。
でも人間には知恵があります。知恵によって一年を大切にして、生かすことができるでしょう。人類の知恵が生かされ、そして幸運の年であることを祈ります。
随筆通信『月』は25号で3年目に入ります。これまで2年間続けてこられましたのは私のまことに心細い企画に対しまして周囲の皆様より心優しい励ましをいただいたからでございます。また真剣な思索と深い洞察による作品で『月』を支えてくださった筆者の方々のお蔭と感謝しております。
秘めやかながら光を放つ「月」をタイトルに選びました姿勢をもとに、わずかでも、皆様が思考や感慨をまとめるためのお役に立ちたいと願いながら、新たな一年間の発行をめざして続けてゆきたいと思っております。発行人 池部淳子 出版に関する仕事をしていると、書籍の本文の整理・編集をする、校正をする、デザインや装幀を考える、同時に執筆もすると、ベルトコンベアーに載ってくる様々な届け物のように、次から次へと日々様々な行程の仕事があり、そのうえ全体の流れからみて、これを片付けておけばあとが楽になるかもしれないなどと欲を出し、一つ、二つ余計に仕事を詰め込んで自分を縛ってしまいます。
(『月』発行人)
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