「1000m/20分」 杉山康成  (随筆通信 月51より)
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1000m/20分
杉山康成

 ちらりと時計を見上げると、19分3秒を指していた。あと57秒。最後の50mだ。3秒の遅れくらい何とかなる。最後の力を振り絞って腕の回転を上げ、ビートを打つ足にぐっと力を込める。一瞬、脳が酸欠状態になるが、そのままゴール。時計を見上げると、20分ちょうど。遂にやったのだ!

 この数年、健康のために、毎週、1000mずつ泳ぐことにしている。当初は、風邪気味だとか、疲れているとか、何かと理由をつけては中断し、結局、月に1−2回も行けば良いほうであった。しかし、この2−3年は、海外出張など止むを得ぬ場合を除けば、ほぼ毎週行く習慣を身につけた。タイムのほうも、かつては、30分弱かかっていたが、ぐんぐん伸びて、昨年の始め頃には23分30秒程になっていた。そして昨年の年初の計で、無謀とは思ったが、1000m20分を切るという目標を掲げたのだ。

 1O00m20分というと、50mを1分のぺースである。しかし、コースは一方通行で、ターンの度に隣のコースに移らなければならない。斜めターンは禁止で、25mごとに、コース変更のために1−2秒のロスが出る。1000mでは39回ターンをするので、それだけでも、40〜80秒くらいのタイムロスである。従って、少なくとも50mを58〜56秒くらいのぺースで泳ぐ力が必要がある。さらにプールが込んでいると、他の人が邪魔になる。平泳ぎで一生懸命泳いでいる人を追い越そうとする時など、わき腹をキックされることもあり、実際には、さらにハイペースで泳がなければならない。

 毎回、苦しさに耐え、泳ぎのフォームを修正して、昨年の夏には21分30秒程度に達した。しかし、そこからがなかなか縮まらない。最初の100mは、ゆっくり泳いでも、50m50秒ほどのぺースである。もし、このぺースを維持できれば、16分40秒で泳げる計算だが、200mも行かないうちに腕が重くなり、後半の500mは、必死の形相にも係わらず、一向にぺースは上がらず、無情にもずるずると後退してしまうのである。

 ところが、昨年の11月18日に、突如として20分30秒という驚くべき一(?)記録が出た。娘の競泳用のゴーグルを惜りたおかげか、或いは、特別体調が良かったのか、原因は定かでない。しかし、それはフロックではなかった。その次の週には、冒頭に述べたように、さらに30秒短縮して、とうとう20分に到達したのである。

 年末年始の休みで体がなまり、今年に入って、また20分台に逆戻りしていたが、2月に入って、再び20分を切った。そして、先日、スイミングパンツを新調すると、なんと18分55秒とあっさりと19分の壁も突破してしまったのである。一体、記録はどこまで仲びるのか?もっとも、あと新調するとすれば、スイミングキャップだけなのだが…。

(東京都 会社社長・理学博士)
E-mail:ebiman@kb3.so-net.ne.jp HP:http://ebiman.fc2web.com/

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随筆通信 月 2007年 3月号/通巻51号

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