心にのこる人々 D二束三文  蒲 幾美  (随筆通信 月83より)
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心にのこる人々 D二束三文   

二束三文とは、がらくた、つまり銭金にならない安物を言う。しかし、これがなくては生きられぬ人々もいる。昔風に言えば履き捨てられるような安物でも、暮らしてゆくうえで必要なのである。

テレビで昨日放映していた。世界の裏側の村には、はだしで暮らしている人々がいる。

日本のスターか、歌手だったか、子供用のズック靴を三百余足持って、はだしで暮らす山村へ訪問した。観光客の捨てたゴミやビンや空き缶で足を痛め、破傷風になって命を落すのは子供が一番多いという。

我々に何か手助けをする事はないか、マスコミで教えて欲しいと希う。どうすれば援助の物資が彼等に確実に渡るのか、などなど…。

こうした思いを持っている者は日本中に沢山いると思う。頼りにするのはマスコミだけ。こうした思いが届くよう、ご指示願いたい。

ズック靴をはいた子供らの嬉嬉とした笑顔が、強く心に沁みた。

心にのこる人々 E馬事公苑のおばさん   

蒲 幾美

世田谷の馬事公苑へ出かけた。障害競走をしている乗馬グループに一人若い女性がいた。隣に見学していた六十歳代のおばさんが身を乗り出し「ようし頑張れ!」と大声で叫んでいた。「お嬢さんですか」と聞くと「娘ですよ」と誇らしげに言う。

「馬は可愛いですよ。人間の言葉がわかりますから」と。

興味本位の失礼な質問とわかっていながら「一頭いくらぐらいですか」と聞くと「他所の人は四つ足の自動車持っているでしょ。同じですよ」なーるほど、と思う。

競馬場では開始前に馬主と飼育係が並んでたずな持って馬場を一周する。

私の子供の頃、町を流れる河川地、千代の松原で草競馬があった。競馬を盛りあげて町おこしに協力した婦人会が冷麦を売り、十余年かけて積立てた金で給食施設を建設、町に寄付した。

このあと、飛騨の大水害で高山線が断絶し、荒城川の小学校が火災で焼け、消防士一人が殉職した。

殉職の碑が建っていたが、今はどうなっているのだろう。

 (川崎市 郷土史研究家)

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随筆通信 月 2009年 11月号/通巻83号

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